※この記事は「人を動かす方法:ゴールデンサークル」の関連記事です。
前回の記事で、ゴールデンサークルの概要を紹介しましたので、まだご覧になっていない方は必ずこちらの記事を先にご覧ください!
ゴールデンサークルの理論が良く分かりました!
後は実践ですね。
そうですね、えーっと…まずどうすればいいんでしょうか?
プレゼンで人を動かすためには、人間の行動原理に沿った説明が必要です。その中でも特に重要なのが、目的と背景。ゴールデンサークル理論における、“Why”に相当する部分です。
ゴールデンサークルの理論を実際のプレゼンに落とし込み、Whyを的確に伝えられるようになるテクニックですので、ぜひ参考にしてください!
“Why”のプレゼンでの役割
ゴールデンサークル理論において、Whyは最も重要な要素です。しっかりとキーポイントを押さえて、ブレないメッセージを伝えなければいけません。
プレゼンの中で“Why”を具体的に説明する役割をもつのが、「背景」や「目的」といった情報。
背景や目的を説明する際に「なぜ私はこのプレゼンをするのか」をしっかりと振り返り、事前に深く考えをまとめることで軸がぶれなくなり、説得力が増します。
そうして芯が通ったWhyを聞くことで、相手は安心するのです。
前回の記事でも紹介しましたが、Whyを考える際のポイントは次の通りです。
Whyをプレゼンに入れる方法
次に、具体的にWhyをプレゼン構成にどのように適用するかという詳細方法を紹介します。
信念や目的、立ち位置を明確にする
例えばあなたが営業担当で、顧客に対して新しい商品の説明をするとしたら、まず伝えるべきWhyは、「会社のビジョンや商品が目指す価値」です。
なぜ会社がその商品を作ったのか、それによってどのようにしたいのか。これがWhyに相当します。
このとき、もしあなた自身の考えが会社のビジョンなどと一致し、同じ方向を向いていたら、それが一番説得力が高くなると思います。営業担当が本当にいいと思っている会社や商品でなければ、顧客はお金を払いません。そして本気で信じているかどうかは、話を聞けば分かります。
とはいえ、すべての人が、自分の会社の方針を信じられるわけではないですよね…
もちろんその通りです。でもその場合でも、少なくともプレゼンの相手に対して会社のビジョンやなぜその商品を売るのかというストーリーだけは矛盾なく伝える準備が必要です。
どうしても自分事として語ることができない…という場合でも、上記のような“あらかじめ設定されたストーリー”を客観的に把握して説明できれば、説得力の厚みが増すのです。
わからない部分は会社内の商品教育担当などにあらかじめ確認するなど、事前準備を怠らないようにすれば対応は可能だと思います。
一方で、経営者の場合は事情が異なります。経営者の語るビジョンは、当然ながら会社のビジョンそのものです。経営者自身がプレゼンをするのであれば、そのビジョンを語るのみなので迷うこともないでしょう。
問題は、自分以外の社員ができていない場合です。もし上手くビジョンを伝えきれていないなら、それはどこかに問題があるということ。企業文化か、組織構造か、教育システムか、採用方針か、もしくはビジョンやビジネスモデルそのものに共感性が低いという場合もあり得ます。
その場合は経営戦略そのものを再考し改善していく必要があるかもしれません。
聞き手の状況を把握し、整合性を確認する
プレゼンの目的や背景の説明は、当然相手(聞き手)に理解をしてもらうために行うものです。
もし情報が足りない場合は、十分理解してもらうことができす、共感を得ることができません。
一方、相手が既に知っている情報をあまりに過剰に説明してしまうと、退屈で時間の無駄と感じてしまい、これも共感を遠ざける要因になります。
従って、Whyに相当する目的や背景を適切に説明し、ゴールデンサークルの効果を最大限発揮するためには、現時点での相手の理解度を把握することが重要です。
現在の理解度がわかると、それによって背景で説明する情報の密度が決まります。
相手の理解度を確認する方法や、適切な情報密度の設定方法についてはこちらの記事で紹介していますので、ぜひ試してみてください。
聞き手に期待するアクションを想定する
プレゼン全体の構成のうち、Whyは目的や背景に相当します。このうち特に目的は、プレゼンの結果として聞き手に起こしてほしいアクション(承認、契約、購入、出資など)に直結する内容であることが多いです。
直接的な表現ではなくて構いませんが、期待するアクションを想定した表記や説明にすることで、成功確率を上げることができるでしょう。
伝えたい内容の一貫性を再確認する
最後に、伝えたいビジョンに説得力があるかどうか、そしてプレゼンの目的や背景にある情報、相手の状態や伝えたいメッセージに一貫性があるかどうかを確認しましょう。
プレゼンでの主張がビジョンに掲げている内容に直接的につながっていないと、聞き手は判断を躊躇してしまいます。すんなりと理解でき、腑に落ちるようにするためには、すべての説明がビジョンと一致していることが望ましいでしょう。
Whyのあとには、HowとWhatが控えていますが、それらの内容も、同様に一貫している必要があると思います。
したがって次のようなタイミングで何度も振り返り、内容を確認すると効果的です。
随時見直すことで一貫性のある主張にブラッシュアップされ、相手の行動を促すことができる論理展開につなげることができるようになると思います。ぜひ試してみてください。
本記事では、ゴールデンサークル理論の最初の要素である“Why”について、具体的にプレゼンに反映させる方法をご紹介しました。
うまく使えばより直観的に人の意思決定に働きかけることができ、プレゼンを成功に導いてくれるのではないかと思います。ぜひ読みながら試してみてください。
なお、関連記事もこちらに紹介しますので、ぜひあわせてご覧ください。
この記事では、ゴールデンサークルの3つの要素であるWhy, How, Whatのうち、1つ目の「Why:なぜプレゼンをするのか」についてより詳しい内容を紹介します。
また、人を動かすために重要な目的と背景の説明方法について具体的に紹介します。