スライドに要約文を書くとプレゼンが上手くなる – バレずに読めるチート級テクニック

スライド資料をつくるビジネスの視点メンタルを整える発表のとき

ここで言いたいことは…(何だっけ?)

〇〇というデータがあります。すなわち…(何だっけ?)

この前の大事なプレゼンで、そんなことがありました。頭が真っ白になってしまって…

それは大変でしたね…

わかります。言葉に詰まったりすると、頭が真っ白になることありますよね。

聞き手から「結局これは何が言いたいの?」とか言われてしまうこともありますし…

はい…

目の前の人の顔を見たら何も考えられなくなって、スライドを見ても言葉が出てこなくなってしまって。

皆さんもそんな経験があるかと思います。
私も数えきれないほどあります。

この記事では、そんな悩みを解決できる、プレゼンスライド上に仕込んでおくことができる工夫を紹介したいと思います。
シンプルですが、使いこなすとチート級の効果を発揮するテクニックです。

その方法とは、各スライドのタイトルの下に、そのスライドを要約した説明文(=サマリー)を一行で書くこと。
たったこれだけです。

「本当にこれだけで意味があるの?」と思われるかもしれませんが、効果は抜群です。
もちろん全てのシチュエーションに適用できるわけではありませんが、作り方、練習の仕方、発表のコツなどの具体的な方法も丁寧に載せていますので、ぜひ一度試してみてください。 

その他のプレゼンの不安を解消するためのテクニックとセットでご覧ください!

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概要

パワーポイントのスライドを作るとき、どこから書き始めますか?
多くの方は、各スライドの上部に、その一枚を表す表題を入れるのではないでしょうか。
例えば、「背景」「目的」「商品ラインナップ」などのタイトルのことです。

このスライドタイトルの下に、図ような説明文を入れます。
これが今回のテクニックです。

えっ、これだけですか?

ポイントは、説明文が端的にスライドの内容を表していること。
つまり、過不足がない要約文=サマリーであることが重要です。
この後で具体的な方法を説明します。


説明文を入れることによって、次のようなメリットが。

発表者へのメリット
  1. 準備段階で内容がまとまり、論理が整理される
  2. スライド全体像が頭に入り、次にいう事がスッと出てくる
  3. 困ったら読めばいいという安心感がある
聞き手へのメリット
  1. 説明文とメインコンテンツの領域が分けられているので、内容はシンプルで理解しやすい
  2. 話の流れについていっていない人も、説明文を見れば内容が一目でわかる
  3. 資料が事前配布された場合でも、ストーリーの誤解を与えない

一般的に、文字ばかりのスライドは「字詰まりスライド」などと呼ばれ、悪い例と言われます。

発表者がそのまま読み、聞き手に同じものを読ませるだけというのは、理解しづらく、聞き手は時間の無駄と感じるため、絶対に避けなければいけません。
この記事で紹介している方法でも同様に、メインコンテンツは極力シンプルであるべきです。

そこで、メインコンテンツからは分け隔てられた領域に、文章を書いてもいい「例外的な領域」を用意してあげることで、説明文章とシンプルさを両立できるようになります。

説明分の領域が各スライドで全く同じフォーマットであれば、聞き手は「構造の一部」として認識し、ごちゃごちゃとした印象は受けません。

そればかりか、聞き手が話についていけなくなった場合も、この説明文を見るだけで全体像を把握できるというメリットもあります。

続いて具体的な作成方法を紹介します。

 スライド作成方法

タイトルの下にスライドの説明文を記入

作り方は簡単。

作り方
  1. ツールバー上にある、文字の入力アイコンをクリック
  2. ドラッグしてテキストボックスを作成
  3. 説明文を入力

説明文のフォントサイズは、タイトルよりも1段階小さくします。
タイトルが24ptなら、説明文は20ptあたりがバランスが良いと思います。
小さくすることで情報の階層がはっきりし、タイトルの補足説明であることが分かるようになります。

毎回ボックスを作成もしくはコピーするのは面倒なので、テンプレートに組み込むことができるスライドマスターでの設定をお勧めします。


なるほど、作り方はわかりました。

それで次は…、何を書けばいいんでしょう?

説明文の書き方にもコツがあるので、お伝えしますね。

説明文を書く上で押さえておきたいポイントは、こちら。

  • 説明文が端的にスライドの内容を表していること
  • 内容に過不足がないこと

こうした文章が適切です。
例えば、下記のスライドのように要素ABを説明したい場合。

 

ABはそれぞれ関係している項目なので、説明文は、Aの説明 + Bの説明となるべきです。
説明文とコンテンツが対応していて整合性があり、網羅されていると、全体が頭にスッと入ってきます。
2行以上になると一瞬では理解ができなくなるので、1行にまとめます。

 

作り方については、逆の考え方もできます。
例えば、もし既に説明をしたい内容が固まっているなら、先にそれを文章化したほうが良いでしょう。
その後、それを表す端的な要素(この場合はAB)を、図や表、絵や写真のビジュアルを使って表現すればよいのです。

図や表、写真などの配置にもコツがあり、そちらも非常に重要なのでぜひこちらの記事とセットでご覧ください!


大切なのは、説明文とコンテンツがしっかり対応していることです。

説明文を繋げてストーリーを作る

各スライドの説明文を作ったら、プレゼン全体のメッセージの整合性を確認します。

ここまでで、スライドの枚数 ≒ 説明文の数となっているはず。
全部で10枚のスライドがあるパワーポイントなら、タイトルや目次、まとめなどを除いたスライドに対応する説明文が並んでいるはずです。
まずはスライドを切替えながら、最初から最後まで、説明文をつなげて読んでみてください

…いかがでしょうか。
話に違和感はなかったでしょうか?

もし説明文を続けて読んだときに、ストーリーがつながっていないと感じた場合は、スライドの順序や説明文の内容を見直してみてください。
それはすなわち、どこかに論理の飛躍や矛盾があるという事です。

理想は、各スライドの説明文だけをつなげると、プレゼン全体の要約(あらすじ)となることです。

要約文だけで話が通る

このあらすじだけを聞いて、はっきりと理解しやすいストーリーになっていれば、プレゼン資料の骨格は完成です!

 練習の仕方

要約文だけを通して読み、全体を把握

 

本番に向けて、このテクニックを最大限活用するための練習の仕方を紹介します。

…とはいえ、実はここまでの準備ですでに練習の半分は終わっています

スライド作成の際に、各スライドの説明文をつなげ、プレゼン全体の要約文を作りました。
そのストーリーの整合性を確認し、修正を繰り返した時点で、プレゼン全体の構造の理解は出来ているはずです。
心配な方は、何度かその要約文を読み返して、頭の中で繋がりをイメージしてみましょう。

本番で説明するときも、その要約文の流れに沿って進めるだけです。

スライドにマークをして練習

もう一つ、おすすめの練習方法があります。
それは、各スライドの説明文の順番に沿ってスライド中に番号の印を書き、その順番でプレゼンの練習をする方法です。
練習用のパワーポイントファイルを別途用意して、図のように数字と矢印を書き込みます。

プリンターを使える方は印刷しても良いかもしれません。

何度か繰り返せば、話す順序とメインコンテンツのイメージが一致するようになってきます。

さらに詳しい練習方法はこちらの記事で丁寧に説明していますので、読みながら実施してみてください。

自分が今どこを話していて、次は何を話せばいいのか、自然と言葉が出てくるようになります。

発表のコツ

練習通りに話す

本番のプレゼンの際も、練習通りに話すだけです。
スライドを作成しているときから何度も要約文を確認しているので、どのような話をするかは頭に入っているはずです。

また思い出せないときでも、目の前には発表中のスライドが表示されています。
練習用スライドに印をした番号がイメージできれば、次にスライドのどこを指し示しながら、何を話せばいいかは自然と口から出てきます。

もし忘れてしまったら、堂々と読む!

 

それでも忘れてしまいそうで、怖いです…

確かに、一度言葉に詰まると、頭が真っ白になることがあります。とても怖いですよね。

でも、絶対大丈夫です。

繰り返します。
全てのスライドのタイトルの下には、何度も読んだ「説明文」が書いてあります。

本当に分からなくなったら、一度息をついて、ゆっくりとその説明文を読みましょう。

それだけを思い出してください。
その説明文は、たった一文でそのページ全体の内容が伝わるように作られています。
聞き手には、最悪それだけ伝われば十分です。
そして、それ以外に余計なことは言わず、次スライドに進めば大丈夫です。

もし多少の余裕がある場合は、説明文を読む前に「こちらのスライドの通り…」という一言を添えれば完璧です。
堂々と、落ち着いて言うことができれば、聞き手には、ただ説明を省いたように見えるでしょう。
場合によっては、「時間に気を使って、発表の速度を調整した」とポジティブに捉えてもらえるかもしれません。

この方法は、あくまで切羽詰まった際の最終手段です。
ですが、保険があるだけで、心の余裕が生まれます。 
その余裕が、次にいう内容や話し方にまで気を配ることに繋がり、プレゼンのクオリティを上げてくれるはずです。

 

番外編

繰り返しになりますが、この説明文は、順に読むだけ全体の内容を理解してもらえるように設計されています。
つまり、プレゼンをしなくてもある程度は伝わります。

近年、生産性向上、働き方改革などで業務の効率性向上が叫ばれています。
それに伴い、会議時間の短縮や、事前資料の送付も増えています。
そんな時によくあるのが、「事前に説明なしで読んだせいで、想定していた内容が誤解され、先入観を持たれてしまった」「間違った指摘を受けた」などのトラブルです。

そんなシチュエーションでも、この説明文なら読んだだけで誤解されることなく理解してもらえます。
実際の発表の際も、本番のコンディションに関わらず正しく伝わる助けになってくれるはずです。
そんな副産物もある方法ですので、ぜひご活用ください。

ぜひ読んでほしい本

不安を少しでも払拭するために最適な本を紹介します。不安を取り除くのに最も効果的なのは、「知ること」。
たくさんの選択肢があってもどれがいいか分からなくなってしまうので、まずはこれだけ読めば大丈夫!という厳選した本だけをご紹介します。

一度身につければ世界が変わると思うので、ぜひ手に取ってみてください!

仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」(鈴木鋭智)

この本は日本語のプロの目線から仕事の中でのコミュニケーションについて書かれており、一見関係ないように見えるのですが、プレゼンの場におけるあらゆるシュチュエーションへの対処法を学べる、ノウハウの塊です!

本の中で、「話し方」よりも「答え方」が重要で、質問に対する適切な回答ができないと何も考えていない「ゆとり社員」のレッテルを貼られてしまう可能性がある…という少しドキッとする警告がされていますが、読んでみると「確かにそうだよなぁ」という内容。

コミュニケーションの本質をわかりやすく具体的な言葉の使い方と主に教えてくれる、目から鱗の一冊です。

「できる研究者のプレゼン術 スライドづくり、話の組み立て、話術」

学者や研究者向けにプレゼンテーションのスキルを向上させるための具体的なアドバイスをしてくれる本です。スライド作成、話の組み立て、話術などに焦点を当ており、ネットだけではなかなか得られない、「間違いのない」テクニックが満載です。

特に、プレゼンテーションの構造化や視覚的な要素の活用、話の組み立てについての具体的な指南をしてくれるので、学会発表が決まったらぜひ一度目を通しておくのがオススメです。それだけで、必ず自分を救ってくれるはずです!

「国際学会English挨拶・口演・発表・質問・座長進行」

もし学会が国際学会だったら、この本は必ず読んでほしいです。質問に対する回答もバッチリになります。
学会の口頭発表、質疑応答、ポスターセッション、座長進行、グループディスカッションなど、さまざまなシチュエーションで役立つ英語フレーズが網羅されていて、135の具体的なシチュエーションごとに分類や、400以上の実際の例から必要な部分を探すことができます。

もちろん英語だけでなく、日本語のキーポイントも併記されており、レファレンスブックとして使いやすく工夫されています。

また、こちらの記事ではその他の役に立つ本を紹介しています。


私自身、このプレゼンの要約文を書くテクニックを使い始めてから、プレゼン中の緊張がかなり緩和されるようになりました。
準備の段階で何度も繰り返しているせいか、無理に考えなくても次の内容が頭の中に出てくるようになりました。
また、事前確認でスライドだけ見てもらった段階で「見やすい」という反応をもらい、それによって安心できたことで、話し方の工夫に時間を割くこともできるようになった気がします。

こうした工夫、テクニックをうまく使いこなすことで、皆さんのプレゼンがより良くなれば、とても嬉しいです。

一文を加えるだけのとてもシンプルな方法なので、ぜひ一度、試してみてください。

なお、その他の不安を消すためのテクニックも紹介していますので、ぜひご覧ください!

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