ミリオン、ビリオン…万…億…
大丈夫ですか?
大丈夫じゃないです!
英語でプレゼンしないといけないんですが、日本語の数字と英語の数字の読み方が全然違うので困ってます。特に大きい数字になるともう…
書き方もわからないですし、もし急に質問されても、とっさに変換できる自信がないです…
確かにそれぞれ読み方が違うので、難しいですよね。
それでは基本のルールと、難しく考えなくてもできる、とっておきの方法を見てみましょう。
英語でプレゼンをするとき、通訳をするとき、資料を翻訳するとき、日本語の数字表記と英語の数字表記を換算する機会があると思います。
私も毎回頭が混乱して、わからなくなる事が多くありました。
この記事では、私の体験談を交えて、数字の読み方や書き方の基本ルールから、聞かれても咄嗟にすぐに変換できるコツをご紹介します。
なおこちらの記事では、英語のプレゼンのための必読本を紹介しています。こちらもぜひご覧ください!
読み方と書き方のルール
まずは日本語と英語それぞれのルールを見てみましょう。
日本語 | ⇄ | 英語 | |||
1 | 一 | 1 | one | 1 | |
10 | 十 | 10 | ten | 10 | |
100 | 百 | 100 | hundred | 100 | |
1000 | 千 | 1,000 | one+thousand | 1K | |
1,0000 | 一万 | 10,000 | ten+thousand | 10K | |
10,0000 | 十万 | 100,000 | hundred+thousand | 100K | |
100,0000 | 百万 | 1,000,000 | one+million | 1M | |
1000,0000 | 千万 | 10,000,000 | ten+million | 10M | |
1,0000,0000 | 一億 | 100,000,000 | hundred+million | 100M | |
10,0000,0000 | 十億 | 1,000,000,000 | one+billion | 1B | |
100,0000,0000 | 百億 | 10,000,000,000 | ten+billion | 10B | |
1000,0000,0000 | 千億 | 100,000,000,000 | hundred+billion | 100B | |
1,0000,0000,0000 | 一兆 | 1,000,000,000,000 | one+trillion | 1T | |
… | … |
おぉ、規則的ですね。
数学の授業でやった、数列みたい。
そうです、実は日本語も英語も、読み方のルールは似ていて、ゼロを区切る桁数が違うだけなんです。
日本の単位はゼロが4つごと、英語の単位はゼロが3つごとに読み方が変わります。
日本語の場合は、一から千までの4つが頭につく基本の数字、それプラス、ゼロが4つなら万、ゼロが8つなら億、16なら兆といった具合です。
英語は、one 、ten、hundredの3つが頭につく基本の数字、それプラス、ゼロが3つならthousand、6つならmillion、9つならbillion、12はtrillion、と変わります。
また英語の場合、それぞれの桁を表すアルファベットがあります。thousand=K、million=M、billion=B、trillion=T です。
thousandを表す“K” は、kg(キログラム)や km(キロメートル)のKと同じ、1000を表す接頭語です。迷ったときは「キロ、1kg=1000g」と思い出してみてください。
基本の数字 + 桁数の文字(記号)
と覚えておけば、どんな数字でも表す事ができます。
左から見て最初のコンマまでの数字を読んでから、桁を表す単位を読む。それだけです。
日本語なら4桁で区切って、万、億、兆。英語なら3桁で区切って、K、M、B、T。
中途半端な数字でも、ルールは全く同じです。
例えば、1234567という数字を例にして見てみましょう。
といった感じです。
英語の場合、私はよくhundred (100)とthousand (1000)がごちゃ混ぜになってしまうことがありました。
ですがこれを見ると、hundred (100)とthousand (1000) は使い方が全く違うことがわかります。
hundred (100) は常に頭につく基本の数字、thousand (1000) はゼロ4つの桁数を表す記号(=K)です。
頭につく基本の数字は最大でも3桁です。1から99はそのまま英語を覚えている方が多いかと思いますので、頭が3桁の場合はとりあえずhundredをつけて読むと覚えておけば、あとは桁数の記号を言うだけです。
なお、スライドに英語で数字を記入する場合も、1万以上の数字は基本的にはアルファベットの略式で表記してよいと思います。
20K、300M、といった表記です。
ただし、日本企業でグローバルなメンバーと会議を行う際などは、日本語と英語を両方記載する必要もあるでしょう。そのような場合、日本語と英語の違いを理解することで、スライドをシンプルに保ち、分かりやすくするテクニックがあります。
こちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
日⇄英に変換する方法
ありがとうございます、よくわかりました!
あとは、突然聞かれたときにすぐに別の言葉に変換できるかどうか…それはちょっと不安です。
書けばわかるんですが、頭の中で換算するとなると…
頭の中で日本語から英語、英語から日本語に変換するときは、少しコツがいりますね。
変換する場合は、基準点を覚えるのが一番早いです。
基本のルールの通り、換算はとても規則的なルールで成り立っています。
それを理解すると、変換の基準点も覚えやすくなります
英語の表記を基準に見てみると…
英語 | ⇄ | 日本語 | ||
1K | 1,000 | 1000 | 1000 | |
1M | 1,000,000 | 100,0000 | 100万 | |
1B | 1,000,000,000 | 10,0000,0000 | 10億 | |
1T | 1,000,000,000,000 | 1,0000,0000,0000 | 1兆 |
基本のルールの通り、英→日は、3桁区切りから4桁区切りへの換算です。つまり、K→M→B→Tと桁が上がるにつれ、日本語単位の頭につく数字は、1000→100→10→1とゼロが一つずつ減っていきます。
逆に日本語を基準にすると…
日本語 | ⇄ | 英語 | ||
1,0000 | 1万 | 10,000 | 10K | |
1,0000,0000 | 1億 | 100,000,000 | 100M | |
1,0000,0000,0000 | 1兆 | 1,000,000,000,000 | 1T |
万→億になると英語の頭につく数字は10→100とゼロが増え、兆で1に戻ります。
この表を頭の中でイメージすると、「今知りたい数字がどこに相当するのか」という基準を設けることができるようになります。
個人的には、英語を基準としたK→M→B→T=1000→100万→10億→1兆の方がシンプルで覚えやすいと思うのでオススメです。
これを覚えておくと、それ以外の桁の数字も基準点からプラスマイナスをして換算することができます。
英語を基準とした場合は、最大でも±2桁で全てを表すことができます。
また、上記でも紹介した1兆 = 1T も覚えやすいので、大きな数字の基準点として暗記しておくと便利です。
ぜひ活用してみてください。
通貨のとっさの換算テクニック
実はもう一つ、よく問題になるケースがあります。
まだあるんですね…
はい、数字の変換に、さらに通貨の違いが混ざった時です。
でも大丈夫、これも同じように基準を設ければ分かりやすくなります。
プレゼンで外国人の通訳をしているときに、よく聞かれる定番のセリフがありました。
例えば、日本語のプレゼンで1.2億円と書かれているとき…
こちらが頭の中で120 million yenと換算して伝えた直後、
「How many dollars is that?」
と聞かれるのです。
ドル、です。
桁の違いだけではなく、ドルに換算しろと言われるのです。しかもドルと言っても、状況によって米ドル、カナダドル、シンガポールドルなど様々です。
まだ1000円から数十万円くらいの額までなら、感覚的に何とかなります。
ただ額が大きくなると、途端に苦しくなります。
頭の中では、ドルと円は2桁違うと分かっているのですが、焦って瞬時に換算しようとすると、ゼロを増やすのか減らすのかすら分からなくなるのです。
何年も国際ビジネスで活躍されている方であれば、スッと感覚的に数字が出てくるのかもしれませんが、とても付け焼刃で瞬時にできるものではありませんでした。
私も未だに、しばらく考えないと混乱してしまいます。
ただ、そんな換算を繰り返すうちに、桁数と通貨レートを同時に簡単に換算できるポイントがあることに気づきました。
それが、1億円=1Mドル (1ドル=100円の場合)。
実際の額は、為替レートによって全く異なります。
ただ桁数だけを見ると、米ドルはもちろん、カナダドル、オーストラリアドル、シンガポールドルなどのドルと名のつく通貨(香港ドルを除く)は、四捨五入をすると概ね日本円と2桁違います。
ちょうどキリのいい単位で、同じ桁数で換算できるので、非常に便利です。
※桁数だけ先に換算し、細かい誤差は後で修正すれば問題なしです。
先程のケースでいうと、1.2億円は1.2 million dollarsと何も考えずに答えれば良いのです。
500億円なら500M dollarsです。
何なら、(少し乱暴ですが)4000万円でも、0.4億円=0.4M dollarsと言ってしまえばいいのです。
1億円=1Mドルを基準とすることで、数千万円から数百億円くらいまではカバーできます。
大きな数字で困ったときは、
「It is roughly xx million dollars. (だいたいxx百万ドル=xx億円です)」
と言ってしまってOKだと思います。
場合によっては、英語のネイティブスピーカーから見たら少し不自然な英語に聞こえることも当然あるでしょう。
ですが、ネイティブでない人であればそこまで気にする必要はないと思います。
流暢に話せないなりに、なんとかコミュニケーションを取ろうとしている状況で、「正しい」英語にこだわりすぎるあまり情報を伝えられなかったら、それは本末転倒です。
目的はあくまで、情報や誠意をしっかりと伝えること。そのために使える手段があるならば、言い回しでも図示でもジェスチャーでも、なんでもフル活用すべきだと考えています。
特に私がいたシンガポールでは、国内外で多国籍なメンバーがいるのが当たり前でした。その中では英語ネイティブの人の方が少ないくらいで、みんな訛りや間違いがある中で、ビジネスをしています。
その時の状況に合わせて伝え方を考えることも、一種のプレゼンテーションです。
数字やお金の金額の伝え方ひとつとっても、相手が何を知りたいのか(正確な額か、大まかな価格感か、一定の基準額以上かどうか、など)によって、どう伝えるべきかは変わります。
相手の知りたいことを推測したうえで、最も自分に負担の少ない、必要十分な方法を選ぶのがよいのではないかと思います。
数字を正確に英語で説明しないといけない、とっさに価格をドルで伝えないといけない、などの場合には、ぜひ今回の方法を活用してみてください。
プレゼンの英語に関するその他の記事はこちらに紹介しています。いずれもすぐに役立つ内容だと思いますので、ぜひご覧ください!