※前回の記事で日本語の基本の接続詞を紹介していますので、まずはこちらの記事をご覧いただくととても分かりやすいです!
接続詞って大事ですね!
どんな種類があってどんな時に使うのかを覚えるだけでも、話の流れを自由にコントロールできますよね。
聞いている方も全体のストーリーが構造化されるので、とても分かりやすくなります。
これって…英語の場合でも同じようにできますか?
あまり複雑なのは使いこなせないですけど…
もちろんです。言語が違うので厳密には一対一対応ではないですが、同じような表現を使えば上手く説明を進めることができるようになりますよ!
プレゼンで必ず必要な接続詞。でも英語の場合に何と言えばいいかわからない…と言う方も多いはず。
接続詞を的確に使うメリットは、プレゼン全体のロジック、すなわち論理展開が明確になるだけではありません。話の「間」をコントロールすることもでき、発表者自身が頭の中で「次に何をどう話すか」を整理するためのトリガーにすることもできます。
特に英語でのプレゼンの場合、細かいニュアンスが伝わらなかったり、言葉に詰まってしまうことも多くなります。そんな時にも、文と文のつながりをはっきりと示すことができれば、聞き手が「次の話の内容」を予測することができ、誤解を減らすことができるのです。
日本語バージョンと対応させることで、より分かりやすく、すぐに思い出すことができるようになります。ぜひ読みながら試してみてください。
プレゼンの準備やレベルアップのための必読本も紹介しています。こちらもぜひご覧ください!
使いやすい接続詞の英語表現
英単語のニュアンスは、日本語と一対一対応になっているわけではありません。したがって日本語の接続詞から全てをそのまま英語に変換することはできません。
しかし、プレゼンで使う際の簡単な表現に絞って考えれば、ほぼ日本語の感覚のまま変換するだけで使える英単語はたくさんあります。ネイティブレベルの英語スピーカーやTOEICの点数が800〜900点ある人でない限り、日本人の頭なら日本語ベースで考えて英語に変換しやすい言葉を積極的に使った方が効率的です。
中学レベルの簡単な表現だけでも十分にプレゼンの「つなぎ」をすることはできるので、それらの単語を使い倒してみてください!
カテゴリー | 接続詞 | 使いやすい英語表現 |
---|---|---|
順接 | よって、したがって、そのため、結果として… | so, therefore |
逆接 | しかし、ところが、ですが、とはいえ… | but, however |
付加 | さらに、しかも、また、その上、および… | also, furthermore |
説明・補足 | すなわち、なぜなら、つまり、例えば… | because, for example |
対比・選択 | あるいは、もしくは、一方、または… | or |
転換 | 次に、それでは、さて、ところで… | next, then, by the way |
※日本語での細かいカテゴリーの分類はこちらの記事で丁寧に説明していますので、セットでご覧ください。
カテゴリーごとの使い方
ここからは、それぞれのカテゴリーのおすすめ表現を紹介します。
順接
順接 so, therefore
理由や原因などが矢印で順番につながっていくイメージ
一番使いやすいのが、so。口語でよく使う単語なのでカジュアルな印象になります。日本語の「だから」「それで」と同じようなニュアンスで文をつなぐ時に使いやすい言葉です。※文法上、厳密には文頭では使わないほうが良いようですが、プレゼンの説明は全て口語で、かつ多くの場合セリフは繋がっているため、そこまで気にしなくてもよいかもしれません。
特に英語初心者の場合、文法を気にしすぎて何も言えなくなっては本末転倒なので、困ったときはとりあえず「幅広い意味で使えるso」と覚えておいて大丈夫だと思います。
thereforeはもう少しフォーマルな言葉です。英英辞書では”as a result; because of that; for that reason:”という意味が書かれており、原因や結果といった論理展開をしっかりと示す際に用いられます。日本語で言うと「すなわち」「したがって」といった言葉に近いかもしれません。
文中の細かい説明は言いやすい「so」を使用し、各スライドの最終的な結論は「therefore」などでしっかり締める、という使い方でもよいかもしれません。
自分の英語力と相談して、「何はともあれ伝えなきゃ!」という切羽詰まった状況ならsoを使い倒す、「しっかりとニュアンスまで表現したい!」なら状況に応じて使い分けるのが吉です。
逆接
逆接 but, however
これまでの話の流れが切り替わる/反対方向に向かうイメージ
こちらも順接と同様にイメージはしやすいと思います。
- but:soのようにカジュアルな表現のため文中で使いやすく、日本語では「けど」「ですが」のようなニュアンスになります。
※butも文法上は文頭を避けるべきとのことですが、同じくそこまで気にしない方がよいと思います。 - however:thereforeのようにフォーマルかつ文語的なので、「しかしながら」「とはいうものの」といった印象を与えることになります。
soやthereforeの場合と同様に、自分の英語力やシチュエーションに応じて使い分けてみてください。
付加
付加 also, furthermore
新しいことを足す/さらに上に載せるイメージ
- also:多くの場合で使いやすい表現です。文頭につけることで、「さらに」「そして」という意味を与えることができます。
- furthermore:よりしっかりと「追加する」というニュアンスを伝えたいときは、furthermoreなどが適切です。
説明・補足
説明・補足 because, for example
吹き出しの中に説明が書いてあるイメージ
- becasue:理由を説明するとき(なぜならば)
- for example:事例を示すとき (例えば)
定番の表現で汎用性も高いので、日本語と一対一対応で覚えておくだけで使えると思います。
対比・選択
対比・選択 or
対等な複数の選択肢からどちらかを選ぶイメージ
or:日本語だと様々な表現がある対比表現ですが、英語初心者であれば、とりあえずorだけで十分です。orも文頭で使えない単語と言われることもありますが、口語であるためプレゼンの場ではそこまで気にすることはありません。
日本語の「あるいは」「もしくは」「または」を言いたいときは、とりあえず全てorに置き換えればOKです。
転換
転換 next, then, by the way
次のページにジャンプして、話題が変わるイメージ
前後の話題の内容や話の間によって変わりますが、基本的には下記のような日本語と英語の対応でOK。
- next:単純に次の話題に移るとき(次に)
- then:一呼吸置いて次の話題に移る場合(それでは、さて)
- by the way:話題が大きく変わる場合(ところで)
プレゼンでのテクニック
接続詞は、論理展開や因果関係を説明するだけでなく、プレゼンの説明をより分かりやすく、より失敗を減らすために利用することもできる便利な言葉です。
少し変わったテクニックを、2つ紹介します。
間のコントロールに使う
英語でプレゼンをするとき、苦手な人の頭の中は「次に説明する内容を思い出す」作業と「英語でなんと表現するかを思い出す」作業を同時に行っている状態になっているはず。
言葉を言い終わるのと同時に次のことを思い出すのを繰り返していると、どこかで一瞬詰まった瞬間に焦ってしまい、頭が真っ白になって何も思い出せなくなる…ということもあるでしょう。
そんな時は、少しでも考える時間が欲しいものです。
そうなってしまわないように、接続詞を使うタイミングで、次のような呼吸方法を試してみてください。
この記事で紹介した接続詞は、慣れれば何も考えなくてもスッと口にできるような簡単な単語ばかりです。つまりこの時間だけは脳の処理容量を消費しなくても良いので、次に話す内容を考えることに頭を使えます。
時間にして約3秒。途切れることなく説明していた状態から、次の内容に頭を切り替えるには、十分な時間です。
このような接続詞を言うタイミングは頭のリセットに最適なので、上手く活用してみてください。
聞き手から見ても話の切り替わるタイミングがよく分かりますし、また焦らず落ち着いて発表しているように見えるので、良いことづくめです!
思い出すためのトリガーとして使う
「プレゼンの全体像を把握して完璧にプレゼンする自信がない!」「どうしても途中で忘れてしまう!」という不安のある方にオススメの方法です。王道ではありませんが、こういう方法もあると思って参考にしていただければと思います。
それは、接続詞をきっかけ(=トリガー)として次の内容を思い出す、というテクニック。
本来、プレゼンの場では話す内容はあらかじめ決まっており、それを一つずつ説明していきます。接続詞を言う際は、先に次に説明する文をイメージしたうえで適切な関係性の接続詞を選ぶことになります。しかしその場合、次の文を思い出せないと詰んでしまいます。
そんなときは、次の文全体を思い出すのを諦めて、次にどんな接続詞が来るかだけをしっかり覚えておきましょう(もしくはスライド中にヒントを書いておく)。
接続詞は文と文を繋ぐ因果関係を示すもの。つまり、前後の文の意味があるうえで接続詞が決まります。それを逆に利用すれば、少ない記憶量でも多くの説明を効率的に行うことができるようになると思います。
プレゼンの言い回しが身に付くオススメの本
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たくさんの選択肢があってもどれがいいか分からなくなってしまうので、まずはこれだけ読めば大丈夫!という厳選した本だけをご紹介します。
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もし学会が国際学会だったら、この本は必ず読んでほしいです。質問に対する回答もバッチリになります。
学会の口頭発表、質疑応答、ポスターセッション、座長進行、グループディスカッションなど、さまざまなシチュエーションで役立つ英語フレーズが網羅されていて、135の具体的なシチュエーションごとに分類や、400以上の実際の例から必要な部分を探すことができます。
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もちろん英語だけでなく、日本語のキーポイントも併記されており、レファレンスブックとして使いやすく工夫されています。
この記事では、初心者でも出来る、英語のプレゼンで使いやすい簡単な接続詞を紹介しました。ネイティブのように細かいニュアンスを表現したい場合は物足りない内容だとは思いますが、「苦手だけどとにかく説明しなくていはいけない!」という方にとっては、まずはこれだけカバーすれば大丈夫なラインナップです。
語彙を増やすのは、英語でのプレゼンに慣れてからでも大丈夫。まずは紹介した単語を使い倒して、スムーズに説明ができるようになりましょう!
セットで学ぶことでより効率的に英語のプレゼンができるようになりますので、リンクからぜひご覧ください。