外国人に英語でプレゼンが必要になりました!
でも、同じ会議には英語がわからない日本人もいて…
そんな時、プレゼン資料や発表はどうすればいいのでしょうか?
英語だけで作る?
日本語も併記した方がいい?
別資料で補足する?
それぞれ細かな違いがありますが、なかなか明確な答えはありませんよね。
私もそんな経験がたくさんあります。
上司が外国人、役員が外国人、チームメンバーが外国人…
様々なシチュエーションがあり、最適な答えはその都度違います。
ですが、そんな状況にも実は決まったパターンがあり、それを適用すればほとんどの場合に対応できるようになります。
この記事では、私が経験から学んだ「外国人がいる場合のプレゼン方法」について紹介します。
方法
プレゼンの相手は誰?
まず最初に考えるべきは、そのプレゼンテーションの聞き手の中で、最も重要な人物です。
例えば、役員会で投資申請をする場合、その人物は決裁者、すなわち会社の社長や役員ということになるでしょう。
決裁者が一人で、その人物が外国人(英語スピーカー)だった場合、自ずと優先言語は英語となるでしょう。
一方、決裁者が複数いる場合もあります。
例えば2人が日本語のわからない外国人で、3人が日本人だったら?
この場合は、残り3人の日本人の英語力によって、日本語と英語のどちらをメインにするかが決まります。
全員英語がペラペラなら、英語のみにしてしまえば問題ありません。
※もちろん、参加する外国人がある程度日本語がわかるなら、逆のパターンもあり得ます。
一方、日本人の3人はあまり英語がわからない、もしくは3人の英語力が不明という場合もあるでしょう。
こうなった場合、日本語と英語を同等の重みでフォローする必要があります。
(英語が話せますか?などと失礼なことを聞くわけにもいかないので…)
このように「聞き手の日本語力と英語力の割合によって、プレゼン中の日本語と英語のウエイトは100:0から0:100まで変動する」と考えることができます。
言語力は様々…
議論はどの言語?
もう一つ、重要な視点があります。
それは、議論の展開です。
プレゼンは、発表して終わりではありません。
多くの場合は質疑応答があり、また場合によってはその後長時間の議論をする必要があると思います。
例えば、議論に参加するメンバーが日本人と外国人の両方だったとしたら、どちらの言語をメインにして、メインではない方の言語話者をどのようにフォローするかというのがとても重要になってきます。
この場合も、会議参加者のうちの英語話者と日本語話者の割合で、英語と日本語のウエイトが変わってきます。
じゃあ、とりあえず日本語と英語を両方書けばいいんじゃないですか?
確かにその通りです。
ですがその場合、スライド上の文字があまりにも多くなると、全く情報が頭に入ってこなくなるというリスクがあります。
いずれの場合も、文字量はできる限り少ない方法を選択すべきです。
日英併記の場合にもテクニック次第でシンプルにまとめることはできますので、そのテクニックについてはこちらの記事でご紹介します。
優先言語の選択基準と3パターンの方法
優先言語を選ぶ判断基準を紹介します。
多くの場合はこれで対応できるのではないかと思います。
パターンとしては、次の3種類。
3つのうちどれが最適かという判断基準は、聞き手の中の英語話者の割合と、通訳や事前配布資料などのフォロー体制の2点です。
英語スピーカーの割合 | 同時通訳や配布資料などのフォロー体制 | ||
あり | なし | ||
0% | ー | 日本語のみ | |
10% | 2バージョン (プレゼンは日本語) |
ハイブリッド (日本語メイン) |
|
20~80% | ハイブリッド | ハイブリッド | |
90% | 2バージョン (プレゼンは英語) |
ハイブリッド (英語メイン) |
|
100% | ー | 英語のみ |
例えば、英語しか話せない人の割合がかなり少なく、同時通訳や事前配布資料などの充分なフォローがある場合は、事前に日本語と英語の2バージョンを作成して配布すれば、本番のプレゼンは日本語だけでも大丈夫でしょう。
一方どちらかの言語しか話せない人の割合がそこそこいたり、フォロー体制がない場合は、日本語と英語の両方をプレゼン資料中に記載するハイブリッド型が多くの場合でオススメです。
大切なのは、プレゼンの聞き手に対する心遣いです。
相手はどんな人か、どんな雰囲気のプレゼンになるかを思い浮かべながら選択するのが吉です。
(主催者が他にいる場合は、念のため確認した方が良いと思います)
番外編:通訳の場合
稀なケースですが、発表者は英語話者で、自分が通訳者、聞き手が日本語話者という場合もあると思います。
私が海外赴任をしていた時、海外メンバーが日本の本社にプレゼンをする際の通訳をしたことがよくありました。
そういった場合は、日本語を追加する作業も、もちろん日本人の私が行うことになります。
こうしたシチュエーションであれば、形式はハイブリッド一択です。
なぜならば、発表者が英語しかわからない場合、スライドに全く英語がないと、本番で不安になってしまうから。(もちろん、日本語がある程度わかる、もしくはわからなくてもプレゼンできる能力がある人なら問題ありません)
また、通訳者である自分や、聞き手である日本本社の人に対しても、日本語はあった方が親切です。
ただし、この場合も言語選択のルールに則って、聞き手に日本人が多いなら日本語を優先した表記を心がけましょう。
聞き手に対する心遣いが伝われば、印象はおのずと良くなると思います。
以上が、私がこれまでのプレゼンで何度も試して見つけた「間違いのない方法」です。
この方法に沿って選択するようにしてから、プレゼンの効率が上がったように感じます。
また、プレゼンの聞き手の構成パターンに沿ってシチュエーションに応じた手法を選択するようにしたことで、毎回のプレゼンの安定感が増すようになりました。
シチュエーションに合っていると言うことは、相手にとっても、自分にとってもすんなり理解しやすく、無理のない方法だと言うこと。
無理のない方法を選択することで、話し方にも余裕が生まれ、良い印象を与えることに繋がります。
機会のある方は、ぜひ一度試してみてください。